調停に臨む態度
過去には,家事審判法上の保全処分の規定が整備されていなかったため,子の引渡しについて人身保護法に基づく人身保護請求が利用されることもありました。
調停は第三者を交えた「話し合いの場」です。
調停委員(男女各1名)が第三者として双方の言い分に耳を傾け,話しをまとめてくれます。
逆に言えば,調停委員は第三者として当事者から聞き取った内容でしか判断することはできません。
したがって,調停に臨む際には,自分の言い分が過不足なく伝わるようにしなければなりません。
自分の言い分をきちんと伝え,納得のいく結論を得るためには,以下のようなポイントを意識するとよいでしょう。
・リラックスし,落ち着いた状態で臨むこと
・感情的にならず,冷静に言い分を伝えること
・自分の気持ち,これまでの事実を正直に伝えること
・自分の視点ではなく,客観的な視点で伝えること
・調停委員の話に耳を傾けること
・調停が円滑に進むように協力すること
・疑問点や不明点があれば,積極的に質問すること
・最終的な結論は自分自身でよく考えて出すこと
・結論を出すことを急がないこと
なお,調停以外の場面で相手方から暴力を振るわれるといった不安がある場合は,事前に裁判所に相談しましょう。
プライバシーは守られます!
調停委員が第三者といえども,夫婦間のプライベートな問題や,思い出したくもない事実を話さなければならないことは少なくありません。
正直にすべてをさらけだすということは,納得した結論を得るためにも重要なことです。
調停そのものは,裁判と違って非公開性です。
また,調停委員には弁護士と同じように,秘密を保持する義務があります。
したがって,個人のプライバシーはしっかりと保護されますので,ご安心ください。