相手方が面会交流に協力してくれない…履行勧告や調停申立てにより,実施要領を定めた事例

依頼者

30代男性(公務員)

別居の有無

別居

主な争点

  婚姻費用,財産分与,養育費,面会交流

弁護士の関与

調停,履行勧告

解決結果

離婚調停成立,養育費月5万円,解決金54万円,面会交流(月1回程度)

解決までの期間

1年4ヶ月

解決のポイント

◯相談前
依頼者と相手方双方に離婚の意思があり,話し合いで離婚の条件を提示しあうことになっていました。依頼者は,養育費や財産分与についてどのように交渉すればよいか相談に来られました。

◯相談後
相手方は,養育費月10万円,婚姻費用10万円を請求し,支払わなければ面会交流を行わないと請求してきました。話合いはまとまらず,依頼者が離婚調停を,相手方が婚姻費用分担の調停を申立てることになりました。
依頼者は,サポートプランを利用して,弁護士からアドバイスを受けながらご自身で調停を行うことにしました。しかし,話をまとめるのが困難であったため,正式に弁護士に依頼されました。結果,相手方が条件を譲歩するかたちで離婚調停成立となりました(婚姻費用分担の調停は,取り下げられました。)。
その後,相手方が面会交流に非協力的な態度をみせたため,弁護士が履行勧告及び面会交流の調停を申立て,面会交流の実施要領を定めました。

◯弁護士からのコメント
調停で面会交流を認めても守られない(予想もできない)場合があります。そのような場合は履行勧告を経て再調停とならざるをえません。
本件では間接強制を念頭に置いた実施要領の作成を心がけましたが,期日間に事実上の試行的面会を重ね,当事者間の信頼関係を築けたことも重要なポイントだったと思います。

子どもたちに会いたい。試行的面会交流を重ね,定期的な面会交流を実現できた事例

依頼者

30代男性(会社員)

別居の有無

別居

主な争点

  親権,財産分与

弁護士の関与

交渉,調停,審判

解決結果

養育費月2万5000円(1人あたり),財産分与として1200万円の支払い

解決までの期間

2年7ヶ月

解決のポイント

◯相談前
依頼者は,出産のため帰省中の妻から婚姻費用分担と仮の監護者指定の仮処分を申し立てられたため相談に来られました。

◯相談後
依頼者は離婚に反対であったため仮の監護者を争いましたが,仮の監護者は母親である相手方となりました。
そこで,当方から夫婦関係円満調整の調停を申し立てました。
また,相手方は面会交流に非協力的であったため,当方から離婚前の面会交流の調停を申し立てました。そして,試行的面会を行った結果,第三者機関における面会交流の調停が成立しました。
しかし,円満調整は困難となり,離婚条件として養育費の額や財産分与の額が争点となりました。
最終的には調停に代わる審判がなされ,養育費を子1人あたり2万5000円,財産分与として1200万円を支払う内容で離婚が成立しました。

◯弁護士からのコメント
長い間争いましたが,残念ながら相手方に親権が認められ離婚する結果になりました。依頼者も忸怩たる心境だったと思います。せめて,今後も面会交流が継続して子らが健全に成長することを祈るばかりです。
子どもが幼い場合,妻が正当な理由なく別居を初めた場合でも,裁判所は現状維持を優先して母親に親権・監護権を認める傾向にあります。
ハーグ条約では,16歳未満の子を一方の親が勝手に国外へ連れ出すことを違法としています。一方の親が無断で子供を連れて出国した場合,原則としていったん元の国に子供を戻す国際的なルールです。ただ,虐待など子に危害が及ぶ可能性がある場合は返還を拒否できます。
このルールを日本で適用するためには単独親権制など障害が多いでしょうが,その趣旨は尊重すべきと思います。

子どもたちの親権は渡さない!!母として親権を得るために離婚訴訟まで発展した事例

依頼者の属性

30代女性(会社員)

別居の有無

別居中

主な争点

親権(4人),養育費

弁護士の関与

離婚訴訟

解決結果

裁判上の離婚,親権(4人),養育費(月5万円)

解決までの期間

2年間

解決のポイント

依頼者は子ども4人を連れて実家に帰り,別居が1年間続いてました。その間にご自身で離婚調停を行いましたが,不成立になりました。すると,今度は夫が離婚訴訟を提起(県外の裁判所)してきたことから,当事務所にご依頼いただきました。依頼者のお気持ちとしては,離婚は構わないが子ども4人の親権は絶対に渡したくない,養育費は適正な額がほしい,というものでした。

 

弁護士の関与により,まず離婚訴訟を山口家裁に移送してもらい,その後親権について徹底的に争いました。調査官調査も念入りに行われましたが,結果として4人の子どもの親権者はすべて依頼者とし,養育費として月5万円を支払う旨の裁判上の和解が成立しました。

面会交流は誰のための制度か…,充実した面会交流の合意を実現した事例

依頼者の属性

30代男性(会社員)

別居の有無

別居中

主な争点

養育費,子の面会交流

弁護士の関与

示談交渉,調停

解決結果

月1回7時間の面会交流

解決までの期間

11ヶ月

解決のポイント

依頼者夫婦は離婚することに合意していましたが(親権者は妻),主に子の面会交流について争いがありました。相手方の面会交流に対する抵抗は強く,2か月に1回2時間(面会場所も限定)というものでした。

調停の中で,調査官を交え面会交流の重要性を訴え続け,試行的面会交流を続けました。弁護士も一部面会交流に立会い,面会時の子らの様子を記録し,調停に提出するなどしました。

最終的には一般的基準に近い,充実した面会交流の合意となりました。

DV事案で,保護命令,刑事事件,離婚調停,婚姻費用審判などサポートを行った事例

依頼者

20代女性

別居の有無

主な争点

離婚,婚費

弁護士の関与

調停,審判,控訴審

解決結果

離婚成立,養育費月額2万円(20歳まで)

解決までの期間

11ヶ月

解決のポイント

◯相談前
依頼者は,相手方との離婚を考えていましたが,相手方のDVが原因で別居中であったため,直接交渉することができず,相談に来られました。

◯相談後
DV事案であったため,依頼者と子どもの安全を考えて,保護命令の申立てをしました(刑事事件についてもフォロー)。
また,生活を維持するため,婚姻費用の支払いを求めるとともに,離婚の調停を申立てました。その結果,離婚について成立。
また,相手方は婚姻費用(未払い分含む)について,支払を拒絶してきましたので,審判により適正額の支払を受けることができました。

◯弁護士からのコメント
DV事案は取扱いが難しい案件です。
本件では被害が明確でしたので保護命令を優先したことで,その後の離婚調停等も当方ペースで進めることができました。

別居後,モラハラ夫と一度も顔を合わせないまま離婚合意に至った事例

依頼者の属性

30代女性(パート)

別居の有無

同居中

主な争点

  離婚養育費慰謝料

弁護士の関与

公正証書作成

解決結果

離婚,養育費(月5万円)

解決までの期間

3ヶ月

解決のポイント

(相談前)
依頼者は,二度目の結婚でした(夫は初婚)。
夫からのモラハラや精神的DV,連れ子の長男に対する虐待が原因で離婚を考えていましたが,なかなか行動に移せませんでした。
しかし,夫が長男にケガをさせたことを契機に行政の援助を受け,家を出る決意をしました。そして,相手方と接触することなく,離婚や養育費の請求を進めたいということで相談に来られました。

(相談後)
依頼を受けた弁護士は,夫と事務所で面談し,依頼者の気持ちや裁判にした場合の見通し等を伝えました。その結果,夫は離婚に応じることになり,慰謝料の代わりに算定表より多めの養育費を支払う内容で合意がまとまり,公正証書を作成しました。結局,依頼者は一度も夫と接触せずに済みました。

(弁護士からのコメント)
DVが絡む事案では,法的な手続だけでなく,依頼者やご家族が安心した生活を取り戻せるようケアが必要です。また,捜索願不受理届や住民票の閲覧制限(支援措置)など裁判所以外の手続も有効に活用すべきです。
最初のご相談の際,依頼者は衰弱して消え入りそうな感じで話されていましたが,今では別人のように元気になり,表情も明るくなりました。

離婚に応じないモラハラ夫!訴訟まで発展し解決金300万円を獲得した事例

依頼者の属性

50代女性

別居の有無

別居中

主な争点

離婚慰謝料

弁護士の関与

裁判外の交渉,保護命令,調停訴訟

解決結果

協議離婚成立,解決金(300万円)

解決までの期間

2年間

解決のポイント

依頼者の夫は,典型的なモラハラ夫でした。

 

依頼者は長年にわたり夫の無神経な態度や行動に耐えてきましたが,子ども達が独立したのをきっかけに意を決し別居しました。依頼者は置き手紙を残し,弁護士からも夫に連絡しました。ところが,夫は交渉に応じず,依頼者を職場から尾行し,遂には転居先に押しかけて暴力を振るったため,警察沙汰になりました。

 

弁護士はすぐに保護命令(接近禁止)を取り,離婚調停を起こしました。調停では依頼者の気持ちが完全に夫から離れていることや暴力に対する恐怖について粘り強く主張しましたが,結局,約1年を経て不成立になりました。

 

ただ,調停を経たことで別居生活も安定し,訴訟の準備も整いましたので,離婚訴訟を提起しました。訴訟を提起した後,訴訟外で交渉し,協議離婚と依頼者に対して解決金300万円を支払う等の内容で和解が成立しました。

 

別居から2年,ようやく無事解決となりました。

別居後にモラハラ夫と離婚できた事例

依頼者の属性

60代女性(パート)

別居の有無

別居中

主な争点

  離婚財産分与

弁護士の関与

調停

解決結果

280万円の支払い

解決までの期間

5ヶ月

解決のポイント

(相談前)
夫からのモラハラに悩み,夫の定年退職を待って離婚を申し出ました。しかし,夫が離婚に応じなかったため,別居することになりました。
別居中は,夫からの婚姻費用とパートの仕事で生計を立て,別居開始から約5年後に自分で離婚調停を申し立てましたが,夫は相変わらず離婚に応じず,調停も不成立になったため,弁護士に依頼しました。

(相談後)
別居期間等を考慮すれば裁判上の離婚事由があると考えましたが,経過を見て再度離婚調停を申し立てることにしました。 調停では,裁判上の離婚事由があることを強調し,夫も渋々離婚に同意しました。そして,自宅不動産の2分の1相当額を代償金として取得し,年金分割を0.5とする調停が成立しました。

(弁護士からのコメント)
離婚調停は本人でも手続可能ですが,適切に対応しないと相手方主導で進んでしまうことがあります。
本件では,弁護士が法的論点に議論を絞って調停を進めたため,裁判所も相手方を説得する雰囲気となり,比較的早期に調停を成立させることができました。

相手方が婚姻関係の破綻を認めない。証拠に基づく主張が認められ判決離婚できた事例

依頼者

40代女性(会社員)

別居の有無

主な争点

  離婚,年金分割

弁護士の関与

訴訟

解決結果

離婚判決確定,養育費月4万5000円,年金分割

解決までの期間

1年2ヶ月

解決のポイント

◯相談前

依頼者は,相手方からの精神的虐待や経済的不安があることから約6年別居をしていました。

離婚を決意した依頼者は,話合いや調停の申立てをご自身で行いましたが,いずれも相手方に応じてもらえませんでした。

調停不成立となったため,離婚訴訟の具体的な進め方を相談しに来られました。

◯相談後

弁護士が,依頼者の代理人として離婚訴訟を提起しました。

相手方は,離れて暮らしていた時期は途中まで単身赴任であり,別居中も家族間の交流は良好で,経済的な援助もしており,婚姻関係は破綻していないため離婚に応じないと主張しました。

これに対し,弁護士は,カード明細の利用状況や診断書を証拠として提出し,依頼者の経済的及び精神的負担があることを主張したところ,離婚,養育費及び年金分割を定める判決が出ました。

◯弁護士からのコメント
本件では,婚姻関係の破綻の有無,具体的には別居時期が最大の争点でしたが,動かしがたい事実(住民票の異動等)を軸に主張した当方のストーリーが認められ,破綻が認められました。離婚自体が争点になる場合は,訴訟で決着を付けざるを得ない場合が多いように感じます。

入籍後,一度も同居をしていない夫婦の離婚。代理人同士の交渉で早期解決できた事例

依頼者

30代男性(会社員)

別居の有無

別居

主な争点

  離婚

弁護士の関与

交渉

解決結果

協議離婚成立

解決までの期間

1ヶ月

解決のポイント

◯相談前
依頼者は,相手方との性格の不一致によるストレスで体調を崩し入院するほどであったため,離婚を申し出たところ,相手方から慰謝料1200万円を請求されました。依頼者は,相手方と入籍後,新居となるアパートの契約はしていたものの,一度も同居をしたことがありませんでした。

◯相談後
まずは,相手方の所在調査を行い,協議離婚を希望する受任通知を送付しました。
その後,相手方も代理人をたてて,代理人同士の交渉となり,アパートの解約,離婚を短期間で成立することができました。また,慰謝料等金銭的な請求はされないことになりました。

◯弁護士からのコメント
弁護士の介入前は,相手方家族による対応(自宅に押しかける,無茶な要求をする等)に大変苦労されていました。そのような場合は,早期に弁護士に依頼して粛々と法的な解決を図った方が早く済むことが多いように思います。依頼者の人生の再スタートが幸せなものになるよう祈っています。